自分の手で描く未来は、
何色だろうと美しい。
- 前職
- 新卒でリクルートに入社
6年半で3拠点、点々としていた。
現在は株式会社arumi 代表取締役 - 休職期間
- 昔から絵を描くのが好きだったため、イラストを描いて発信等していた
Profile
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環境の変化と、働きすぎによる体調不良からですね。
東京出身なのですが、配属先が仙台で。いきなり知らない土地で一人暮らしをすることになりました。
営業として働いていたのですが、契約を取った後にお客様に効果が返せないことに対して、しんどさを感じていて。
それがきっかけでオーバーワークになり体に不調が出始め、高熱が続きマイコプラズマになる他
精神的にも苦痛を感じるようになり・・・。
サークルの先輩に相談したところ、精神的な病院に行ったほうがいいというアドバイスを受けメンタルクリニックを受診しました。
その結果、重度のストレスと診断され「このままだとやばいよ」と言われて。
レベル3ということが分かり、診断されて初めて自分はそのレベルにいると気づきました。
でも、レベル2の段階では辞めていなかったのではと思います。
いつかアートをやりたいと思っていたのですが、ちょうど同期が会社を立ち上げまして(アートが好きな人だった)。
声をかけてもらい、退職という流れになりました。
そろそろ新しいことがしたい、新しいことに挑戦できるなと思ったことも一つの要因ですね。
4年目に環境を変えたいと思ってはいたのですが、社内異動があったため、飽きはしませんでした。
6年目、この状況をこれ以上続けていくのはどうなのか 東京配属の声はかかっていたが、「またブライダルか」と考えてしまう自分もいて。 退職か現状維持か、天秤にかけた結果、新しい環境を選びました。
両親は驚いてましたね。友人には、余計な心配はされたくなかったのと、悪いイメージがつくのは嫌だったのであまり言ってなくて。でも、言った友達は優しい言葉をくれました。
昔から絵を描くのが好きで、イラストを描いて発信をしていました。 アートにより深い興味を持つきっかけになりましたね。
それまで自分の強みがわからないというのが辛かったのですが イラストをきっかけに、自分のクリエイティブさに強みを見つけはじめ、社会における自分の武器を見つけられたのは大きかったと思ってます。
一番辛かったのは復帰する時ですね。 休職期間中、働いてはいけない状態ではあったのですが みんなは働いているのに働いていない自分への無力感、やることがない毎日、両親にお金を借りるのは後ろめたいなど、色々複雑な感情がありました。
休職をしてもう一回復帰をしたというような人が、身近にいなかったことですね。
世の中活躍している人にフォーカスが行きがちですが、そういう人ばかりではなく
様々な人の生活のリアルな部分が知りたいとも思いますし、そういう人を一人でも知っていれば、もっと自分を肯定できたのではと考えています。
今振り返るとよかったなと思ってます。自分と向き合った時間でしたね。
復帰した後周りから色々言われても、揺るがない心を持つ自分がいました。
退職までの期間に、自分のことは自分が一番知っているという自己信頼ができていたから、退職の時に「自分だったらなんでもできる」と前向きに考えられるところもありました。
でも当時は思わなかったと思う。休むことは遅れにつながる、気を遣われると考えていました。 ポジティブに捉えられれば、推奨するべきではあるなと思います。
休職の時期としては、体壊す前に休んでおけばよかった・・・。
でも追い詰められていたからこそ、やりたいことを見つけられたところはありますね。
休職が自信につながった、と考えています。
あそこまで辛い経験を乗り越えられた自分がいるというか。
休職中、小さな日記を書き「継続できるじゃん」と思ったり、 イラストを発信しいいねが少しずつ増えると「上達してるかも」「受け入れられてる」と感じる時間があったのですが このような時間が「自分ってこんなことできるんじゃん」という、小さな成功体験の積み重ねの時間となりました。
自分の会社で、精力的に働いていています。美術館も作りたいと思っていて。
今が一番楽しいし、ワクワクしてる。
私の場合、退職後スタートアップに転職し、その後半年で独立しています。
理由としてはお客さんに対する意識の違いの他に、個人的に中学生時代から起業したいと考えていて。
初月は月給5万円からのスタートでしたが、休職の際培った「何とでもなる」という経験が、自分に自信を持たせてくれました。
休職期間、自分自身がアートに救われたことがあって。
仕事だと正解がすでにあるけど、アートだと正解がない、見る人の価値観が大きく出るところがあるので、アートによって自分を知ることが出来るのではという考えから、美術館を作ろうと考えました。
今後、休みたいけど休めない人をアートで救いたいとも考えています。
多くの人の「サードプレイス」として、逃げ場が美術館であるように。
いいとか悪いとか関係なく、自分の感性で物事を判断できるアートの力を借りに来て欲しいと思ってます。
自分は昔から、生まれたからには何か残していかなければならないという使命感をずっと持ち続けているところがあって。 小さい時は結果を出すと誰かが喜んでくれるので、結果を出すことは大事なことだと思っていたのですが 仕事となると、結果が出せない=自分に価値がないと感じてしまい、その考えが休職に繋がったのかも知れません。
「自分の経験は誰かしらのためになっている」これが私の中での発信する意味でして
一生懸命向き合ったからこそ、濃度の濃い経験が得られる、それを発信すれば誰かに刺さると考えています。
周りに悩んでいる人が多いのですが、「なんでもできる」「自分のことは自分が一番わかっている」と思えるようになった自分の経験から ずっと悩みながら今していることを続けている人に、変わるきっかけを与えられれば嬉しいですね。
出来ないことは出来ない、しんどい時は誰でもいいから言う。ですかね。
自分は抱えてしまっていたので、余計そう思います。
しんどいと言う状況で続けても、パフォーマンスは上がらない。ずっと自分に負荷をかけることになります。
一回リセットをかけて、自分を心身ともに新しい状態に出来る状況や
新たな自分に出会うための機会、新たな可能性に出会えるチャンスを作った方が良いのではと思っています。
仕事をしていて「ちょっとキツイかも」「もう無理かも」という経験、心当たりはないでしょうか。
心が苦しくなると、体にも影響が出る時があるので
そういう時は無理せず、一度相談だけでも病院を利用するのも良いのかもしれません。
また今回の取材では、一旦辞めても、収入が少なくなっても 何とかなるということを、エピソードとともに教えていただきました。